そう自身に笑いかけ、
「あの辺境のメアロードが平民と結婚できたのだから、俺たちにだって出来ないはずはないさ」
とも続けていたことをアウラはしっかり覚えている。そして追い出して見せるとは、正面からではなく陰湿な手段を用いて追い出すと、アウラは他人事のように理解していたのだ。
「それで、どうして惚れさせようとなんて」
「だって、相手は公爵家でしょう。私が何かをしようとしても、王族との繋がりが深い公爵家相手に勝ち目はないわ。悪く思われるじゃない。正式に抗議してもきっと無駄。それに今辺境へ戻っても、逃げたなんて思わせるのは癪だわ。それに王命である以上この結婚は絶対……だから惚れさせてから振り回しに振り回してやるの! もう私を好きになったところで、私はあの男は好きじゃない。無駄な努力をさせ続けるの。いい気味よ」
そう言ってシルウィンは未来の展望を語る。自分の家を領民を貶めたカーティスが自分に頭を下げ、地に手をつけ自分に許しを乞う姿を想像しながら笑う。そんなシルウィンを見たアウラは、ふとカーティスについて考えた。
(最近、あの男は厄介なんだよな……)



