「……というわけで、私は王命でカーティスと結婚することになったのにも関わらず、さっき話をしたみたいな不当な扱いを受けてるわけ。まるで罪人みたいでしょう? 酷いと思わない?」
そう目の前で淡々と話すシルウィンに、アウラは未だ目の前でふんぞり返る女が自分に害を成すものか、このまま放置すべきか決めかねていた。
アウラの部屋に、シルウィンが突撃し半刻。
シルウィンはとにかく部屋に入れろとアウラに要求したかと思えば、部屋を見渡し「お姫様みたいな部屋じゃない! 私は物置みたいな部屋だったのに!」と憤慨しながらソファに座り、自身のされてきた横暴な振る舞い……風呂ではなく行水に近いことをさせられていることや、食事がまともなものを与えられていないことなどを話した。
しかしこの屋敷に来てシルウィンがまともな扱いを受けていないことは、アウラはシルウィンから聞かずとも、十分すぎるほどに知っていた。
というのも、アウラはシルウィンという辺境の当主の末娘が王命によりカーティスと婚約し、辺境からはるばる屋敷に訪れることを、約十日前、カーティス本人から聞いていた。
「王命により仕方なく屋敷に入れるが、すぐに追い出して見せる。安心しろ」



