そしてその疑問はたった今、解消された。仮面で顔を覆い尽くすほどの嘘を人が吐いたとき、その仮面は線が描かれるのだとシルウィンは理解した。嘘を見極めるべく、アウラの情報について考えていく。
けれどシルウィンが持つアウラの情報は極めて少なく、別邸に住んでいること、カーティスの愛人であることの二点のみ。そこからどう嘘を暴いていいかわからない。いわゆる的は大きいのに打つ矢が見当たらないという状況であった。
「シルウィン様? あの、お怪我はされていませんか? 先ほど落ちそうになっておりましたし……その拍子にどこかお怪我をされているのでは? わたくし心配です……」
アウラが不安げな声色で言葉を紡ぐ。しかしそうしている間にもアウラの仮面に線が入っていった。そしてシルウィンは、あることに気付く。
(この女。人ひとりバルコニーに引き上げといて、特に疲れたそぶりも見せてない。息を乱れさせる様子もなく、動じることもなかった。もしかして……)
シルウィンは確信を持った瞳でアウラを見据える。



