【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


「あなたなにその顔……」

 アウラの顔は、仮面にその顔を覆い尽くされていた。そして誰しもが白地であったにも関わらず、アウラの仮面は波打つように、または雷鳴が轟くように歪な黒い線が何本も何本も入っている。そこに楽しい道化のような愉快さはなく、まるで呪われているようなおどろおどろしさを醸し出していた。

「顔、とは?」

 当然シルウィンの問いかけの意味合いが汲み取れないアウラは、首を傾げる。

「なんであなたそんな嘘ばっかりついてるのよ、普通そんなにならないわよ……? あなた、なんの嘘を吐いているの……」
「私は嘘なんて吐いていませんよ。シルウィン様。というかどうして突然……」

 アウラがそう言うと同時に、アウラの仮面には蛇が這うように黒い線が描かれた。シルウィンは今まで人が部分部分で仮面をつける所を見るたびに、その白い仮面が顔を全て覆い尽くしたとき、どうなるんだろうと考えたことがある。しかしシルウィンは最終的に、他人のことだしどうでもいいかと思考を放棄した。