【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 シルウィンは肩で息をしながらアウラに礼を言うと、アウラは涼やかに「貴女様は、シルウィン様よね。お聞きしていますわ。公爵に……」と儚さを纏った声で返事をした。

「ええ、そうよ私の名前はシルウィン・リグウォ……」

 しかし途中で己の目的を瞬時に思い出したシルウィンは、顔を上げた。そしてアウラに文句を言おうとし、そして絶句する。

「……は?」

 先ほどまで、アウラは光に背を向け、逆光となった形でシルウィンはその顔を見ることができなかった。しかし今、互いに部屋の光を真横から受ける形で立ったことで、シルウィンにアウラの顔はよく見えるようになったはずだった。

 だというのにアウラの顔は先ほどと全く同じで、どんな顔をしているかよく見えない。どんな顔をしてやるか、見てやりたかった顔。自分のほうが絶対に可愛いだろうと思っていた顔が、シルウィンには全く分からない。