そして夜にはカーティスが別邸の三階。ひと際豪勢なバルコニーが設置された部屋からシルウィンの部屋を睨むように見ていることがあり、シルウィンはあそこが愛人の部屋なのだろうと見当をつけていた。よってそのことを侍女に伝え、シルウィンが「愛人はいいの?」と問えば侍女はシルウィンを睨み付け部屋から出て行った。
(こんな馬鹿にされてる状況、許せない)
シルウィンは勝手に会いに行こうとしたものの、シルウィンの扉の外で、常に侍女は部屋の前を監視するように立っている。そしてその侍女は目に見えて態度が悪く、シルウィンがカーティスに会いに行きたいと言い続けると「カーティス様のお手を煩わせようとするのはやめてください!」と怒鳴られたこともあった。
怒鳴りつけられたことが癪に障ったシルウィンが侍女に対しカーティスに気があるのか問えば、顔を真っ赤にした侍女はそれ以降監視を強化した。よってシルウィンが正攻法でその部屋から自由になることは、叶わなかったのである。
だからシルウィンは、窓から屋敷を出ることにした。そう、シルウィンは今まさに、部屋の窓を開き、足をかけ、壁伝いに屋敷の外に出る最中であった。



