「彼女が見えるのは、きっと嘘の自覚でしょうから」
ぼそりとローウェは呟く。それは、ローウェがシルウィンにかねてより抱いていた仮説であった。
ローウェがシルウィンに男だと明かし、自分の家族が殺されたことを伝えても、シルウィンには自分の素顔が見えている様子はなかった。
それどころかいつも「おかしな仮面つけて」と度々言い、自分の素顔を見ている気配がなかった。そしてローウェは、シルウィンに対して吐く嘘が殆どない状態でもシルウィンには自分の顔が見えていないことに気付いたのだ。
シルウィンは、嘘が見える。
嘘を吐いたタイミングまではっきりと言い当てることから、きちんと可視化されていることも理解できた。そして自分の話をしたとき、シルウィンはローウェの仮面が欠けたと言った。



