【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 しかしディルセオン家、カーティス・ディルセオンがせめてもの罪滅ぼしにと勝手に葬儀を開いたものだ。よってリグウォン側は娘の葬式に誰一人参加しない異常な光景が広がっていたが、参列者は誰も責めようとしなかった。

 王家の為にと今まで国境を守ってきたのに、領地の象徴でもあった娘を王命により突如公爵家に嫁がされ、そこでは一方的に虐げられた。挙句公爵が原因で焼き殺されたのだ。

 きっと王都に来てしまえば、公爵を殺しかねない。だから訪れることはないだろうと納得し、王都の貴族たちは、たとえシルウィンに関係ない人間であってもその葬列に並び、彼女の死を心から悲しみ、その魂がせめて安らかであるよう祈りを捧げた。

 そんな誇り高き、非業の死を遂げたとされるシルウィンは、東の最果てから隣国へ向け出港を待つ船の甲板で、深々とした帽子を被り平民の装いをしながら、自分の葬儀を知らせる新聞を眺め不機嫌そうに口を曲げていた。

「ねぇ、ちょっとこの新聞にのってる顔の私、不細工じゃない? 鼻なんてすっごく丸いし、目だって魚みたいになってるわ。なにこれ、信じられない。ふざけてるわ。匿名で抗議しようかしら!」