【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



 そうした使用人たちの言葉で、皆はシルウィンが公爵からどんな扱いを受けていたかを知った。物置のような部屋に住まわされ、食事には腐敗した残飯を混ぜられ、湯あみの際には浴槽に廃油を混ぜられ、そもそも湯ではなく水を浴びせられていたことも。

 それは瞬く間に新聞に取り上げられ、そんな虐待のような扱いを受けてもなお心を曲げなかった彼女に人々は尊敬と称賛の声を贈り、公爵、そしてこんな結婚をさせた王に一気に反感が向かった。

 もともと、メアロード家の一件、大公の死によって揺らいでいた旧政派は、完全に打倒され、その残党を残すことなく新政派が王家を完全に支配することとなり、隠居を理由に退位するはずであった現王は少しでも長居してしまえば最後命にかかわると、新王が速やかに即位した。

 そんな、娘が旧政派失墜の決定打となったリグウォンの当主といえば、国に仕え、民を守る方針は変えない、新政派とリグウォンの志は共にあると宣言した。

 そうしてリグウォンの当主に対して、人々はその家督を息子に譲り、まだまだ始まったばかりの政治基盤の中核に腰を据えてほしいと願う声もあったが、当主は首を横に振り、しばらくは娘の喪に服したいと話をし、娘の葬儀もまだ娘の死を理解できていないと言って開かぬことを表明した。