【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



「初めは、君を邪魔な存在だと思っていた」
「そんな感じがしていたわ」
「そしてその後は利用できる相手だと思った。真実が見えるなんて、そんな便利な能力を使わない手は無いと。君を使い捨ての駒にして、マルヴァータで俺の家族を殺した相手を見つけ出す、囮にしようと考えた。でも、君と過ごしていく間に、どんどん俺は非効率な手段ばかり考えるようになった。復讐のことなんて、忘れて、ただその日に話をするだけの、女装をしている男になってしまった瞬間が、何度もあったんだ」
「アウラ……」
「目を閉じれば、ある日突然家族を失ったあの時の光景はちゃんと、ちゃんと色づいているのに……。そして、俺は君に娘を調べさせた。本当なら大公か、夫人に質問させるべきだったのに、俺はそれをしなかった。俺は、君が……」

 アウラは、静かにシルウィンのほうへ身体を向ける。そして、一つ一つ水面から言葉をすくうように、言葉を紡ぐ。