【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



「シルウィン様、全員の退避が完了しました!」
「あら、いいところに来たわ! この女を投げるから、受け止めて頂戴!」

 騎士たちが理解する間もなく、シルウィンは助走をつけ、折れた柱と柱を飛び越すように女を放り投げる。女はシルウィンに砲丸のように投擲され、瓦礫の山を越え騎士たちのもとへと落ち、無事に受け止められた。
 シルウィンが女の無事を瓦礫越しに確認し、自分も越えようとすると轟音を立て天井が崩落していく。騎士たちは慌てるようにシルウィンに向かって声をかけた。

「シルウィン様! シルウィン様! ご無事ですか!」
「私は大丈夫よ、裏手の逃げ道を使うから貴方たちは逃げて! 私の姿が見えなくても決して探しに来ては駄目よ! 炎は屋敷の周りにも放たれているわ。全て消火されたらそちらに向かうから!」
「わかりました!」

 騎士たちはシルウィンの的確な指示に、女を伴い出口へと向かって退避していく。シルウィンはそれを見届けて、ため息を吐いた。