【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 シルウィンが周りを確認すると燃え盛る炎の海の中、女は蹲るようにして咳き込んでいる。あの女の言葉が正しければ、あの女は自分を殺した相手、自業自得だ。そんな考えが一瞬シルウィンに過る。しかしその直後、アウラの言葉が蘇った。

 ――君にも、大切な家族が、いるんだよね……。

(あの女にも、私を殺したあの女にも、大切な家族がいるかもしれない。けれど、私にも私を想っている家族がいたのよ。許せないわ!)

 シルウィンは目を閉じ、じっと考え込んだ後、目を見開く。そして一目散に女のもとへと駆け出した。シルウィンの背後からは、まるで追い風のように風が吹く。

 ドレスの裾を焦がしながらシルウィンは女のもとへと飛び、そして降り立つと女は驚いた顔でシルウィンを見た。シルウィンは不機嫌そうに眉間にしわを寄せ、女の肩を掴みあげると女は狼狽えた。