【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



 シルウィンはその女の顔を見て、ふと頭の中にある人物の顔がよみがえる。

「私付きの、侍女……?」

 騒然とする招待客の前、暗がりの中で燭台を持ち、舞台劇で見せ場を作るように光を受ける女。痩せこけ、目も虚ろで、病的な笑みを浮かべる女。

 その女はかつてシルウィンがディルセオン家に訪れ物置に住まわされていたとき、シルウィンを監視し、そして食事を運んでいた女だった。その女はカーティスに顔を向けると、狂ったように笑い出す。

「ふふふふっ、あはははは! カーティス様、いーいお顔だわ。そんなに驚いて、まるであの夜のわたしみたい!」

 どこか幼いような女の声に、シルウィンは後ずさった。しかしその女の瞳はどこか自分に似ている気がして、視線を逸らせない。すると女はカーティスから招待客全員を舐るように見まわし、口を開いた。