それから五日経った夜のこと、とうとうシルウィンの誕生日を祝う夜会が開かれた。会場はディルセオン家の大広間。中央には煌びやかなシャンデリアが飾られ、その下には着飾った人々が笑みを浮かべて歓談している。その中でカーティスは嬉々としてシルウィンを隣に置き、招待客に挨拶をして周っていた。
しかし四日前に突然招待状を送られたことで客はまばらで、名ばかりの公爵家であろうが。取り入って利用したいと願う野心を抱えた下級の貴族たちしかいない。招待客たちはみな一様にシルウィンへの祝いを口にすが、彼女にはただ仮面を被った人間たちが、こちらに語り掛けているようにしか見えない。
そんな道化師たちを前に、優雅な笑みを浮かべ可憐に挨拶し、心からの感謝をしているようにシルウィンは繰り返す。そして招待客が頬を赤く染め、自分に注目している姿を心の中で「当然よ」とせせら笑いながら、シルウィンはパーティーを過ごしていた。傍らに、シアンを控えさせながら。
「そういえば、お前は今まであまり見たことがなかったな」



