【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 あと半年も経たないうちに現王は隠居を理由に退位し、あくまで穏便な形で新王へと変わるだろう。

 しかし、王が変わったところで人々の暮らしが変わるわけではない。変わるのは旧政派の暮らしぶりくらいだ。大抵の旧政派はその役目を追われ、降格される。ディルセオン家も旧政派に属しているから、その余波は当然来るだろう。しかしカーティスは呑気に誕生日パーティーと宣っている。シルウィンは頭が痛くなった。

「顔だけ、顔さえ良ければいいと思っていたけれど、私は間違っていたかもしれない……」

 ぼそりとシルウィンが呟くと、シアンが顔を一気に背け噴き出した。そしてあたかも何事もなかったかのようにまた前を見据える。

 シルウィンが疑うようにその様子を伺うと、シアンはまた顔を背け噴き出す。シルウィンはしばらくそうしてシアンで遊んでから、アウラは今どこにいるのだろうと考えて、虚しい感情を抱きながら空を見上げた。