【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


「あの方、大公が亡くなり皆喪に服しているということが理解できていないのかしら……」

 王家に伝わる呪具により消滅した大公は、表向きは病死で処理された。流石に、突然部屋から消え失踪したと伝えることは出来ない。マルヴァータ夫人は遺産と共に早々に使用人の男一人を引き連れ屋敷を離れ、今マルヴァータの屋敷には出来の悪いとされている大公の弟が住まうこととなった。

 大公の弟は公爵家にしては小さな屋敷に住まわされており、元いた使用人を合流させる形で屋敷に移り住む形となって、結果的に親と子が揃った。

 ただ、侍女が自分の父が大公の弟だと把握しているかは分からず、結局真実を知らぬまま使用人と主人として過ごす確率のほうがはるかに高い。

 そして、大公の突然の病死に混乱したのは何もマルヴァータの屋敷だけではなかった。王家も同じで、ただでさえ新政派と旧政派の争いが続いていた中、大公は旧政派の現王と近くあったこともあり、大公の死は完全に旧政派が新政派に敗れる決定打となった。