【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



 そうしてシルウィンは、アウラのいないまま別邸で暮らし、ひと月を過ごしていた。

 社交のない日は、美しさ、可憐さを保つために身体を動かし、それが終わればシアンに紅茶を淹れてもらい、紅茶を飲みながら王都の街並みをただ眺め過ごす。時折カーティスに街に出ないか誘われ、四回のうち一度は共に街に出た。カーティスが自分に意見も求めることなく、ただ買うことだけに満足するようにあれこれ買うのを眺め、帰ってくる。その繰り返しだった。

 あと少し経てば、婚儀の日が訪れる。それが過ぎれば、一度リグウォンに顔を出したいと伝えてもいいかもしれない。そう思いながらシルウィンは紅茶を一口飲み、隣に立つシアンを見た。

「貴方の主人は元気?」

 シルウィンの問いかけに、シアンは頷く。シアンはあまりシルウィンと話をしようとしない。一度シルウィンは「話をすることが嫌いなの? それとも私が気に入らないのかしら」と冗談めかして彼に問いかけたことがある。