【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



 大公に近づき、その復讐をする。自分の本懐を遂げたことから、アウラがここにいる理由は完全に消えたのだろうということを、シルウィンは理解していた。

 けれどそれはもう少し先だと思っていた。そしてシルウィンは、アウラが自分の元を去る際に、少なからず憎まれ口でもなんでも、自分に何かしら言葉をかけてくると思ったのだ。

 こんな風に手紙で別れを告げてくるとは思っていなかった。

 シルウィンが机に目を向けると、カーティス宛の手紙が見えた。それは封筒に入っておらず、簡素なもの。そこには屋敷を出るであろうきちんとした理由と、カーティスに対して今までの感謝が綴られていた。

 まるで、もう二度と戻ることはないような文言と、アウラがカーティスを裏切ったような内容も記されている。これを読めば、カーティスがアウラを憎むのではと思うような、文章だった。

「こんなことなら、本当の名前を、聞いておけばよかったわね」