【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



 あどけなくそう言って、申し訳なさそうに笑うカーティスを、シルウィンは恥ずかしい気持ちを隠しながら見る。私は、一瞬でも、こんな男を愛していたのか。なんて自分は愚かだったのだろう。今すぐここから立ち去り、壁に頭を打ち付けてしまいたい。

 むしろ過去に戻って自分を殴り飛ばしたい。顔が腫れてもいいから、二発くらいは今後に影響の出ないよう配慮しつつ全力で殴り飛ばしたい。シルウィンは自身を恥じた。一方のカーティスは、話に熱を込めていく。

「でも、冷静になって、君に酷いことをしていたと気付いたよ。君は夜会できちんと社交をしてくれていたし、図書館で王都について学ぼうとしてくれていた。大公の夫人の茶会に、招かれるようにまでなって、ディルセオン家の妻として、頑張ってくれていたのに」

 その大公は、今頃消息を絶ったことで騒ぎになっているはずだ。その連絡が公爵であるのに来ないのはこの公爵家がただひたすらに王家との繋がりしかない、実力がない、頼られていない証拠だ。シルウィンはその事実にとうとう目を閉じた。

「どうか、これからは君のことも考えると誓う。どうか妻として、よろしく頼む」