【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



 シルウィンは「私が、憎かったでしょう?」とカーティスを真っすぐと見る。カーティスはその目に狼狽え、申し訳なさそうにしながらシルウィンを見返した。

「……夜会で、君に酷いことをしようとして、夜が明けて、しばらく経って、自分はアウラと自分以外の気持ちを一切考えてこなかったんだと思ったんだ。誰かの立場にとって考えることをしなかった。知ってるんだ。俺は、ディルセオン家が、ただ王族との繋がりが深い、実力のない古い伝統しか主張できない家だと言われているのを」

 そんなこと、聞いていない。シルウィンは溜息を吐きそうになるのを抑え、視線を伏せた。カーティスはそんなシルウィンを、自分の話を胸を痛めて聞いているのだと錯覚し、話を続ける。

「でも、父と母も俺に厳しく、幼少期からずっと叱咤されていた。どうして皆が馬鹿にする家を、こんなに一生懸命にならなきゃいけないと俺は思っていた。俺が頑張っても、誰も見てくれない。なら、俺だって誰も見ない、そう思ってるときに、パーティーで女の子を見つけて、介抱したら、ありがとうって、言ってくれたんだ。その女の子と、いや女性と今年酒場で偶然再会を果たして、何とか結婚しようと動いていた矢先王命で君との結婚が決まって、俺の人生なんでこんな上手くいかないんだって、その癇癪を、君にぶつけてた」