【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



 自分を物のように考え襲って消費してくる男を許せるほど、その心は鈍いものではなかった。自分を幼き頃から想っていたが、ただアウラと間違えたことで自分を敵と見なすカーティスを見て、シルウィンの心は心底冷えた。

 この男は、愛したものを間違えるほどの男なのだ。自分の運命の女でない存在を短絡的に突き飛ばす思考を持っている。挙句、癇癪を起して襲おうとするほど、自分を制御できない。それら全てをしっかりと目に焼き付けたシルウィンは、カーティスに対してかけらも愛情を残してはいなかった。

「では、君は俺を許してくれるのか……?」
「ですから、先ほど言ったとおりです」

 シルウィンは、淡々と告げる。その表情には依然カーティスに向けた愛も、怒りも存在していなかった。アウラと共にいるとき、シルウィンは確かにこの男が憎いと、嫌いだと怒りを持っていたが、今はひたすらに愚かに、そして惨めな男に思え、心の中からカーティスに向ける関心も感情も、その全てが消えた。