【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



「君とは、話をしようと思っていたんだ。どうか今、改めて謝罪をさせてほしい。夜会の時はすまなかった。反省している。もうしない」

 熱意を込め、誠心誠意紡ぎだされる言葉にシルウィンの心は冷えていく。反省なんて当然だ。もうしないことだって当然だ。謝罪も当然だ。自分に逆らえない存在を組み伏せておいて、何が話をしたいだ。シルウィンは心の中で毒づいて、それを綺麗に包み隠し首を横に振る。

「いいえ、謝らないでください。わたくしはカーティス様に謝罪をされるべきではありません。許す、許さないなんて、そもそもわたくしはあなたの妻になるのです。そしてこの婚約は王命によるもの。選び取る立場ではありません。どうか顔を上げてください」

 それはシルウィンが、絶対に許す気はないと伝えたも同然の言葉であった。

 シルウィンはかつて、カーティスを心から想っていた。しかし、自分を虐げてくる人間に対して愛を持ち続けられるほどシルウィンは盲目ではなかった。