【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 その代わりに血を飲まなければ渇きを感じるようになってしまうというもの。そして契約をした者同士は血を飲まなければ生きていけず、血を飲まずして約七日が経過すると強烈な渇きを覚え、痛み苦しみ、十日後に死に至るというものだ。初めのころシルウィンはそれならば七日置きにアウラの血を飲めばいいと考えていたが、今では毎日その血が恋しいと感じるようになった。

 シルウィンは血を飲み終えると、アウラからそっと唇を離す。シルウィンがどんなに血を吸っても、アウラは息を乱すそぶりは見せない。アウラはそっと自分の肌蹴させた襟を整えると、部屋の扉を開いた。

「じゃあ、いってらっしゃい。シルウィン」
「ええ、行ってくるわ」

 これは、自分を鼓舞するための儀式だったのだろうか。シルウィンは疑問に思いながら、部屋を出てアウラにそっと手を振る。

 アウラはその手を控えめに振り返した。アウラは仮面をつけたまま、しかしシルウィンはアウラが優しく自分を見つめているように感じた。シルウィンはアウラに微笑みを返すようにしてから、部屋を後にしていった。