屋敷の中は煌びやかなシャンデリアが天井を飾り、その左右には噴水が流れ、王宮の中のような景色が広がっていた。しかし自身を迎える使用人は一人しか立っておらず、その使用人である侍女らしき人物もシルウィンを見据えるように立っているだけで、にこりとも笑わない。
「シルウィン様、到着なさったのですね。お部屋をご案内いたします。こちらへ」
そう言って、髪を全て後ろにまとめた侍女はシルウィンを見てすぐに背を向け、早歩きで歩いていく。シルウィンがそのままついていくと、どんどん屋敷の奥へと入っていったと思えば、極彩色で心を躍らせる景色から、じめついた、まるで使用人たちの住む裏方のような廊下へと周囲の景色は変わっていった。
廃れた景色に不安を抱きつつシルウィンが歩いていくと、侍女は歩みを停止し塗装のはがれかけた扉のドアノブを回し押し開いた。
「こちらがシルウィン様のお部屋になります。お食事はお持ちいたしますのでどうぞこの部屋で待機なさってください。湯あみもこちらがお声掛けいたします。私は外で控えておりますので何かあればお申し付けください」



