【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



「じゃあ、ここから飲んで。腕を切っても、塞いでいくのに時間がかかってしまうから」
「ありがとう」

 アウラがシルウィンの肩に口付けるように唇を触れさせてから、牙を突き立てそこから血を啜っていく。シルウィンがアウラに身を預けるようにしていると、すぐにアウラはシルウィンの肩口から唇を離した。

 シルウィンの襟を整え、今度は自分の襟を肌蹴させる。その所作に、シルウィンは自分の牙を出して、アウラの首筋に自分のそれを突き立て、血を吸いだしていく。

(やっぱり、甘いわ。どんな果実よりも)

 シルウィンは、アウラの血を飲みながら、以前アウラから受けた吸血鬼の血についての説明を思い返す。それは、吸血鬼になってしまえば、人間の食事は必要なくなるというものだった。すべての栄養源は血液に変わり、食事への空腹を感じなくなる。