アウラは昨晩と異なり、いつも通りの女の装いに戻っている。化粧も女のもので、その唇はシルウィンと同じ色で艶めいていた。その唇を動かしながらも、言葉を紡ぐでもなく、扉の前に立ったシルウィンの肩を力も籠めずに触れた。
「どうしたの、アウラ。あなたもあの男に何か話が?」
「いいえ、そうじゃなくて、えっと……」
アウラは、自分でも何を言っていいか分からないように視線を彷徨わせた。シルウィンはアウラを気遣うようにその肩に触れる。
「話は、あの男と話をした後でも聞くわよ?」
「違うの、……血が、血が……欲しくて」
躊躇いがちに紡がれる言葉にシルウィンは目を瞬かせた。そして今から短剣で自分の腕を切り裂くには時間がないと判断して、そっとドレスの襟を広げる。



