【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



 アウラは扉のすぐ隣に、シルウィンは部屋を見渡し花瓶を手に取って構えた。すると扉の隙間に、手紙が差し込まれた。何者かはそのまま扉の前から去っていく。気配が完全に消えたのを見計らうと、アウラはその手紙を手に取った。

「カーティスからだ。シルウィン宛だ」
「嫌だわ。あの男からの手紙なんて」
「じゃあ俺が開けようか?」

 シルウィンは「お願いするわ」とソファに座りなおす。アウラは立ったまま、手紙を広げた。

「えっと、季節の挨拶は省略する?」
「そうして頂戴。別にあの男の挨拶なんて、聞きたくないから」
「分かった……。親愛なるシルウィン・ディルセオン、単刀直入に言おう。先の夜会では、君にとても失礼なことをした。夜会で君はきちんと俺の未来の妻として振る舞おうとしていたのに、俺はそれに感謝するどころか、仇で返すような振る舞いをしてしまった。そして、今まで君に対する振る舞いも、騎士道に背くようなものであったことをここでお詫び申し上げる。そして、直接会って謝罪をしたい。どうか明日、話をする時間を作っては貰えないだろうか。昼、ディルセオンの別邸、客間にて待っている。……カーティス・ディルセオン。だって」
「毒でも盛ろうとしているのかしら」