「もう、お前は消えてなくなる。そして、その腹にいる村の人間も、俺の家族も、永遠の苦しみから、ようやく解き放たれる……」
見届けるようにアウラが大公の腹部を見つめていると、とうとう、大公の身体は崩れ、その上体は一気に地面に落ちるようにして倒れた。灰は絨毯に広がり、風となって舞っていく。風に乗り、世界に溶けて消える灰を見て、アウラは静かに肩を落とした。そんなアウラに寄り添うようにシルウィンは彼の背中に自分の手を置く。アウラはその手に自分の手を重ねた。
「大公は、俺の家族を……」
「さっきの話で、なんとなく分かったから、みなまで言わなくていいわ」
「そっか……」
アウラは、ゆっくりと目を伏せる。屋敷の人間が全て眠りに落ちた夜。二人は灰の舞う部屋で、じっと灰が夜空に流されていくのを見守っていた。
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