「では、次は私の質問に答えてくださらないかしら。ねえ、私とお茶会をしたのは、あなたでしょう? 大公」
シルウィンは、大公を見据え、勝ち誇った笑みをしながら話を続けた。
「お茶会で会ったとき、夜会で見た時と夫人の仮面の形が変わっていたわ。あの時の夫人は、大公が身に着けていたものと同じものを被っていた。そしてチョーカーを贈ったとき、夫人の仮面は元に戻っていた。それで夫人と大公は何かしらの任意のタイミングで入れ替わっている、もしくは共犯であると考えていたのだけれど……今ので分かったわ、あなたは姿を変えることが出来る……吸血鬼なのね」
シルウィンが夜会で大公を見かけたとき、大公は顔を半分に等分するような仮面をつけていた。そして夫人は目元だけを隠すような華奢なもの。しかしシルウィンが夫人と茶会をしたとき、夫人は顔を等分する仮面、大公と同じ仮面を身に着けていることにシルウィンは気付いたのだ。
そしてその後、チョーカーを夫人に贈ったとき、夫人の仮面は元へと戻っていた。今までシルウィンはそんな人間を見たことがない。吸血鬼の特殊能力ということも考え、アウラに伝えようとしたのだった。その前に血を吸われ、シルウィンは昏倒した。目が覚めた彼女は、慌ててマルヴァータの屋敷へと向かったのだ。



