「お久しぶり、私の吸血鬼さん」
シルウィンの瞳は、真っ直ぐに本物のアウラへとむけられる。そうしてシルウィンはアウラに勝ったような笑みを浮かべた後、傷を負った大公を見下ろすようにして、不敵に笑った。
「なぜ、私の変身が見破られ……」
シルウィンの放った鋏を肩から外し、大公はよろめきながら問いかける。シルウィンは当然のように言葉を返した。
「簡単よ。マルヴァータ大公の仮面もおかしなものだけれど、アウラの仮面はもっとおかしなものなの。いくら姿がアウラでも、仮面が違っていたら別人だと思うわ、それに、アウラは刃物は左手で持つのよ」
ふん、とシルウィンは鼻を鳴らしてアウラを見た。シルウィンが見るアウラには、今も鼻から上の部分には顔を覆う仮面がつけられており、子供の落書きのような線が描かれている。一方大公の仮面は顔を左右に等分するようなものが付けられていた。



