「流石はリグウォンの娘。人間といえどまるで吸血鬼に近い動きをしていると見える。では、計画を変えようか」
大公はアウラに近づき、懐からナイフを取り出して右腕を振るいアウラの腕を切りつけた。そしてその血を舐めとると、指を打ち鳴らしてアウラの姿へと変える。そして鎖に繋いだアウラに口枷をつけてから布で覆った。
「服は、まぁ屋敷に潜入する為だと言えばいいだろう。リグウォンの娘など、騙すことは容易い」
大公は静かにほくそ笑み、その声を聞いたアウラは、大公の思惑を察知した。大公は、アウラを囮にして、シルウィンを殺す気なのだと。大公を捕まえたとアウラの姿で伝え、シルウィンを油断させる。そして殺すのだ。
アウラは必死に声を出そうと試みる。しかし声は口枷にかき消され漏れることも許されない。しばらくアウラが鎖を外そうと抵抗を続けていると、二人がいる部屋に物が割れる音が響き渡る。シルウィンが、部屋の窓に突入するようにして入ってきたのだ。シルウィンは部屋を見回すと、アウラに扮した大公に声をかける。



