【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



「それはね、フィノスレードの犠牲の産物だよ。君の村の民たちは皆逃げよう、守ろう、戦おうとする……いわば元気なものたちでね、何とか捕らえられないかと研究をしたんだ。でもまぁ、結局永遠に拘束することはできない。しかし、君をこの胃袋に収めるくらいは可能だろうさ」
「お前っ、お前えええっ、お前だけは! お前だけはこの手でっ!」
「ふむ。君がそうやって叫んでも誰も来ない時点で、君は自分の状況を察するべきだよ。今日私は、この屋敷全員に薬を盛った。朝までは誰も目が覚めないように。いわば君の手助けをしたのさ。君の存在が誰にも見つからないように、君が跡形もなく消えることが出来るように」

 大公は、静かにアウラに歩み寄っていく。しかし、その瞬間窓から吹く風が変わった。大公は静かに背後を見る。

「おや、もしやリグウォンの娘が、君の後を追ってきたのだろうか」
「シルウィン……?」

 アウラは、窓の外を見た。広がるのは暗闇で、シルウィンの姿は見えない。しかしシルウィンの気配は徐々に近づいているように感じ、目を大きく見開いていく。