不完全な呪具によりあるものは苦しみによって理性を失った、体の半分を破壊され激痛に苦しむものもいた、人としての原型を保てないものもあった。しかし、吸血鬼は死ねない。なのに、呪具はどんな吸血鬼でも殺せるものでなければならず、死にかけを殺すようなものは誰も求めていない。
実験のできない吸血鬼は邪魔なだけだ。ならば死ねない吸血鬼をどうやって処分するか。アウラは考え、そしてその答えを思いついたとき、戦慄した。
「だからお前は、俺の家族を食ったのか」
吸血鬼は、殺せない。殺せない吸血鬼をどう始末するのか。それはひとえに吸血鬼が邪魔な吸血鬼を食べてしまうことであった。食べてしまえば、吸血鬼によって消化が行われる。時間をかけて、ゆっくりと。そして少しずつ残ったそれは再生して、また消化されることを繰り返す。
しかし、そのまま置いておいてしまうよりははるかに場所がとられず、そして証拠も消え、服は燃やすだけ。効率的な手段であった。



