【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



 アウラの問いかけに、大公はくすりと笑いながら頷く。その態度にアウラは声を押し殺すように、唸るように大公に問いかける。

「……なら、あなたはその同胞を、国に売ったのですか」
「ん?」
「フィノスレードの村を、王家へと売ったでしょう……」

 地を這うような声で、アウラは大公を睨み付けた。すると大公は鼻で笑い、アウラを見る。

「ああ。売ったとは違うな。私は使ったんだよ。国のためにフィノスレードの村の民の命を。いわば人間と、吸血鬼の未来のために。いずれ吸血鬼が増殖して、人間は絶やされる。そうすれば今度は吸血鬼同士で内乱が起きる。その時のために、ある程度摂理を保つためのものは必要だろう?」
「何が未来のためだ。お前は俺の家族を奪った。フィノスレードの民の未来を奪っただけだ!」

 大公の言葉に、頂点に達していたと感じていたアウラの怒りは、みるみるうちに膨れ上がった。アウラは大公を怒鳴りつけると、拳を握りしめる。