【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 そう言って、マルヴァータ大公がアウラを伴いやってきたのは、大公自身の部屋であった。その部屋には、美術品が並び、まるで美術館のように纏められ、中央には机と椅子が置かれている。ただただ人の部屋とは程遠い奇妙な部屋だった。

「貴方が、吸血鬼だったのか、マルヴァータ大公」

 アウラは大公に自身の腕を掴まれるまでは、夫人が吸血鬼だと思っていた。しかし大公に連れられここに来るまでに、アウラは大公が吸血鬼であったのだと確信した。

 何故なら常人なら必ずある隙が、大公には全く存在していなかったからだ。アウラはずっと大公の後ろを歩き殺す機会を伺っていたが、大公にはそれがまるでなかった。その隙は今までアウラが大公を調べるときには確かにあったもので、アウラはずっと己の存在が大公に把握されていたのだと悟った。

「ああ。そうだよ人間のふりをして、もう大分経つが、私は血を吸って生きながらえる者。要は君の同胞ということだ」