一歩一歩、アウラは夫人の眠る寝台へ近づいていく。そして夫人の腹を視界に入れたとき、その怒りは頂点に達した。今すぐ、家族を、村人を、解き放ってやらなくては、永遠の、苦しみから。
アウラは夫人のもとへと手を伸ばす。その時だった。アウラの手を何者かがしっかりとつかむ。
「静かに。私の妻が起きてしまう。妻は夜目が利かないけれど、さすがにこの距離なら見えてしまうだろう」
アウラが、大きく目を見開き、自分の腕をつかむ人物に目を向ける。それは間違いなく、マルヴァータ家の大公その人であった。
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「まさか、君が我が家を調べていたとは思ってもみなかったよ。私はてっきりリグウォンの娘だとばかり思っていたのだが……」



