【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ



(そんな想いを、向けなくてもいいのに)

 アウラは今まで、損得勘定でしか人と接してこなかった。ただ相手のためを想って行動する自分は、家族を失い村人を失ってからどこかに消えた。

 家族を探していた間は、その生存を信じていた間は灰のように焼け残っていたものが、家族の死を知り、そしてどんな目に遭ったかその末路を知って灰は風を受け流された。

 以降アウラはどんな残酷なことをしても、どんなに偽っても、誰から何を奪っても、復讐をしようと決めた。こうして自分が生きていることは死体を動かしているようなもので、本来自分はあの時死んでいたのだ。そう考えて今までアウラは動いていた。

 だから自分に向けられる好意は邪魔でしかなく、利用価値があるのならただ利用する。それだけのものだった。