「突然ごめんなさい。ちょっと夫人に贈り物がしたくて。貴女が必要だったの」
「いっいえ! えっと、それで私はどうすれば……」
「ええ。貴女は夫人との背格好も、首周りも大体同じでしょう? 髪色も同じ系統で……だから、最後の調整の手伝いをしてもらいたくて」
シルウィンはそう言って、懐からレースで仕上げたチョーカーを取り出した。それはシルウィンが編んだもので、夫人のために用意したものだった。正しく表現すれば、夫人に贈り、どちらが吸血鬼かを暴くために。
「ねぇ、これ、血のように赤い色。素敵だとは思わない?」
「ええ。そうですね」
侍女はシルウィンの言葉に媚びを売るように愛想よく頷くが、シルウィンのその瞳に侍女の顔は仮面を身に着けているようには見えなかった。元々大げさな気質。どう振る舞っても嘘くさく見える気質なのかもしれないと侍女を評価したシルウィンは調整するからと侍女の首に赤いチョーカーをあてる。



