カーティスが領地を馬鹿した時に怒りを感じたのは、シルウィンが彼らを昔からよく知っていて、自分と仲がいいから、自分を好きでいる者たちだから、シルウィンは怒りを持っていた。
シルウィンは人のことを考えているとき、必ず自分を入れる。自分によくしてくれるから、優しくしてあげてもいい。自分を慕うものだから、気を遣ってあげてもいい。自分によくしている人たちだから、馬鹿にされたら腹が立つ。
かといって自分の能力を使ってまで助けたり、尽力をすることはない。どんなに嬉しいことをされても、物を与えられても、感謝以上のことはしない。したいとも思わない。何故ならば、自分はきちんと感謝をしたのだから。そうシルウィンは考え、そこには明確な線引きがあった。
しかし、シルウィンが、アウラの最も困っているであろうこと。そして達成したいであろうこと……自身の村が消され、そして殺された犯人がマルヴァータにいるかもしれないことを知った時、その境界はアウラを入れ込む形で変質した。
シルウィンは今まで、他人に施しをしてやっても構わないと考えたことはあっても、自ら進んで施しをしてやろうと思ったことはない。ただアウラに対しては、シルウィンは純粋にしたいと思った。



