【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 そしてシルウィンは招かれている客であり、見つかっても平気な存在。しかし、シルウィンがアウラのしようとしていることについて触れず、ただただ利用しろと言ってきたこと、そして偽りについて責めず、何故偽ったのか言及しないことがアウラにとっては理解しがたいことであった。

「俺の嘘については、咎めたり、怒ったりはしないの……?」
「何? 否定をされたいの? 私別に嘘を吐くことを否定したりなんかしないわ」
「何故?」
「誰だって嘘を吐く。そして私も吐く。いいも悪いもその時次第、感じ方なんて人にとって違う。私にとってはただそれだけよ。それにあなたは別に面白半分で嘘を吐いて私を乱そうとしているわけでもないでしょう?」

 シルウィンは、嘘を見抜くことが出来る。しかし、嘘を憎んでいるわけでもなければ、自分を偽る人間を否定的に見ることもなかった。人間は嘘を吐く生き物で、感情がある限り誰に対しても嘘偽りなく生きていくことを願うことは傲慢である。シルウィンはそう考えていた。

「なるほど……」

 シルウィンの言葉に、アウラはその胸にぽっかりと開いた穴を自覚するような感覚に陥った。シルウィンは、カーティスに復讐をしようとしていた。そして今までの在り方を見ても、綺麗ごとを言ったり、善であろうとしている素振りをアウラはシルウィンから感じ取ったことは一度もない。