「あなた、馬鹿じゃないの?」
「馬鹿ねえ……。さっきから、シルウィンの言っていることが何一つわからないのは、俺が馬鹿だからなのかな?」
「そうね、あなたは馬鹿よ。それも大馬鹿」
シルウィンは光を背にして、アウラに向かって立つ。そして、口角を上げた。
「マルヴァータに用があるなら、私を利用すべきでしょうに」
「……え?」
大真面目に、まるで自身を説得するような態度のシルウィンに、アウラは驚く。
「それって、どういう……」
「言葉通りの意味よ。マルヴァータに呼ばれたのは私でしょう? あなたは招待されていなかった。それなら私を利用しなさいよ。馬鹿じゃないの? 自分で行ってしまうなんて。非効率よ!」
アウラは、シルウィンの言葉の意味は理解できた。しかしその態度は理解が出来なかった。今日はアウラは呼ばれていないにも関わらずマルヴァータの屋敷に向かっていた。見つかることもなく、そしてこれからも見つけられることはしないが、見つかったらいけないことは確かだ。



