【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 シルウィンはマルヴァータの歴史について考えながら窓を見つめると、月光を受けている木々が揺れていることに気付いた。風が吹いてるのだろうと納得してシルウィンが部屋へ振りかえると、その瞬間と同時に部屋の燭台に火が灯される。

「どうしたの、シルウィン。何か考え事? それとも、詮索?」

 燭台に火を灯した人物……アウラは寝台からすでに起き上がり、シルウィンのすぐそばに立っていた。アウラが起き、そして既に立ち上がっていることにシルウィンは驚きながらも、咳ばらいをしてアウラに向き直る。

「そうよ。調べ物をしていたの。ねえ、アウラ。あなたの故郷の村の名前って、フィノスレードって言うんでしょう? 今の書物には記されていないけれど、二百年前に記されたものには、きちんとのっていたわよ」

 シルウィンが、地図の記されたページをアウラに渡す。するとアウラは「なんの話?」ととぼけるようにシルウィンを見た。しかしその仮面には亀裂が入るように黒く細かな線が入っていく。そんなアウラを見て、シルウィンは眉を吊り上げた。