契約をした吸血鬼同士は、互いの血を飲まなければ苦痛に襲われ、やがて死に至る。
飢えの症状に至るまで、その間隔は約七日ほどと言われ、死に至るまでは十日とされている。しかしアウラはシルウィンのそばを離れることも考え、毎日自身の血を与え、そしてシルウィンの血を受けていた。
だがマルヴァータの屋敷に向かうから、万が一跡でも残してしまわないようにと、この四日は吸血を行っていなかったのだった。アウラはそのままグラスに己の血を零し、やがてそれが一杯になるのを見計らってシルウィンに差し出すと、シルウィンの瞳は渇望に揺らめき、喉をならす。
「ほら、飲みなよ」
「ええ。頂くわ」
シルウィンはグラスを受け取り、アウラの血で喉を潤していく。シルウィンは、身体の中の全てが作り替わり、新しくなるような錯覚に陥った。ふわふわとした酩酊を感じながら、ほっと息を吐き呼吸を整えていると、アウラがナイフを差し出した。



