シルウィンが考え込んでいると、マルヴァータ夫人が視界を遮るように立つ。すると見覚えのある侍女は、支度を終え下がっていった。
「人生の楽しみは、食よ。見ているだけじゃつまらない。食べても楽しまなくっちゃ。マルヴァータの家に来て、私は最初に夫にそう教えられたの。ほら、シルウィンさん座って頂戴」
シルウィンはマルヴァータ夫人に促され、そのまま準備された椅子に座った。料理人たちは庭園の花々を摘み取り、丁寧に処理をしてそれをあしらい始める。その華麗な所作にシルウィンが集中していると、シルウィンの隣に座るマルヴァータ夫人は補足をするように口を開いた。
「ここにある庭園の花々はね、きちんと食べられるよう処理をしてあるのよ。それに、お花を食べるととってもお肌の調子が良くなるの」
シルウィンは、マルヴァータ夫人の肌を見た。マルヴァータ夫人はおよそシルウィンの年齢を三回ほど上回っている年代であるが、その肌は潤い、隅々まできめ細やかでシミ一つない。



