【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 シルウィンは、可愛くて、綺麗な花は好きだ。一方緑一色の葉や、つるなどの植物は、どれも同じように見えている。しかしマルヴァータの庭園はその葉を生かして、絵や地図に近いものを作り上げており、植物はどんな形をしていようが緑一色に見え、むしろ花以外に興味のないシルウィンでも感動するほど、見事なものであった。

 中央から大きく十字に分けるように整地がされ、東にはメアロード領を意識したであろう薔薇たちが。西には年間を通して雪が降ることが多いリグウォンを、綿毛のような花々で表している。南と北も同様のものとなっており、中央にあたる王都は色とりどり、種類も違う花で敷き詰められていた。

 シルウィンは案外植物も悪くないと、今までの考えを改めるように庭園を眺める。やがて北の一か所に、一本だけ赤い花が咲いているのが見えた。北の領地は、リグウォンと地続きになっており、年間雪が降らない日のほうが圧倒的に多い土地で、花々はリグウォンと差別化をするよう、水色の花で敷き詰められている。

 しかし王都よりのある一点に、そこから生えたことが間違いであったかのような、それとも一本だけ染められず残ってしまったような花が咲いていた。