【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 今日のマルヴァータ夫人の茶会に招待されたのは、当然シルウィンだけであった。カーティスすら招待されていない茶会に、その愛人であるアウラは参加が出来ない。

 けれどアウラはカーティスがいないことに安堵している。あの男さえいなければ、シルウィンは自由に羽ばたく鳥のままだ。空を自由に羽ばたいて、人を惹きつける鳥。今日のシルウィンのドレスは薄い青で、アウラはその姿を見て小鳥を連想する。部屋を出ても変わらず自分のドレスを確認するシルウィンを見ながら、彼女の分まで足元を気にして歩いていると、二人の前にカーティスについている執事が現れた。

「シルウィン様、アウラ様」
「何かしら、私これからマルヴァータの屋敷に招待されているのだけれど」

 シルウィンが、暗に手短に用件を伝えることを求めると、執事は顔色一つ変えず二人を見る。

「カーティス様が、お二人に謝罪がしたいとおっしゃっております。なので、お二人のご都合のいい時を尋ねるようにと」
「その時は、私とアウラ、必ず二人がそろった時がいいと伝えてちょうだい。そして、私はしばらく公爵家のご夫人との茶会が控えているから、今月は時間が取れないともお伝えして」

 シルウィンが手短に伝えると、執事はぐっと歯噛みしながら下がる。そんな執事を通り過ぎるようにシルウィンが歩いていくと、アウラが「シルウィン様」と声をかけ、耳打ちをする。