【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 その様子を、アウラはソファに座り紅茶を飲みながら、ややうんざりした気持ちで眺める。何故ならば、シルウィンはもう鏡の前で何百回と回り、自分を見てうっとりするという行動を半刻以上繰り返していたからだ。

「どう? 可愛いでしょう! 世界で一番素敵でしょう! やっぱりこのドレスにはレースが似合うと思ったのよね! 本当に華奢で素敵! 儚げな感じがいいわ!」

 シルウィンはアウラに問いかけながらも、自己完結するように自身の言葉に頷いていく。今日、シルウィンは午後からマルヴァータの屋敷に招かれている。

 本来なら王家主催の夜会が開かれて七日後、マルヴァータの屋敷から招待状が届いていたが、当時のシルウィンは到底茶会に参加できる状態ではなく、断ってしまったのだ。そして回復したことをシルウィンが伝え、今回仕切り直しという形でシルウィンは屋敷に招待されたのである。

 そしてシルウィンは、仕切り直しをした分きちんとした装いをしようと、アウラのドレスをまた裁ちばさみで切り裂き、自分で編んだレースをあてて作り替えたのだ。

 元は大きな襟のついたドレスは以前の夜会と同じように肩のところを切り、胸元の部分から今度は首のチョーカーに繋げるようにしてレースをあしらい、鎖骨が透けて見えるように型を変えた。ドレスのフリルも人魚の尾ひれをイメージしたもので、シルウィンが回る度にレースとパールが揺らめいていく。