【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


「もう、悩むのは、やめ!」

 目の前に立ち、光を横から受けるシルウィンのその顔を、アウラは唖然として見つめる。シルウィンは未だ仮面しか見えぬアウラを見て、いつかのように口角を上げ、自信に満ち足りた表情で笑った。

「吸血鬼、上等よ! 私は例え人間でなくなっても何も変わらないわ! それに婚約者があんな男ですもの。力のひとつでも貰っておかないと、帳尻が合わない。私は悪くないのよ。ずっと、あの時もっと早く反抗出来ていれば、どうして抵抗できなかったのか。組み伏せられたのが悔しくて悔しくて負けてしまったと……そう思っていたけれど!」

 シルウィンは、夜会以降ずっと悩んでいた。カーティスに組み伏せられたあの時の、自分の非力さを呪った。そしてどうして私には力が無かったのだろうと悩んだ。カーティスに、男を誘う格好だと言われたことを気にして、あの時の夜会に着ていたドレスに似た型を見るだけで、シルウィンは嫌な気持ちになった。

 シルウィンは違うと否定しながらも、もしかしたら自分に悪いところがあったのかもしれないと、そう思ってしまうこともあった。そしてそう考える自分がカーティスに支配されているようで苦しんだ。