「それで……、でもだって、あなたそんなそぶり、一度も……」
「隠していたから。特にあなたとは一緒にいる時間も長かった分、些細な疑問すら抱かせないよう過ごしていたつもりよ」
シルウィンは過去のアウラの行動を思い返す。しかしどんなに思い出してもアウラのそれらしい行動は、初めて出会ったとき片手でシルウィンを掴んだことくらいだった。そしてその事実は、アウラが男だったという見方でシルウィンは捉えていた。
「……じゃあ、私は人間ではなくなってしまったってこと」
「そうよ」
アウラが抑揚のない声で返事をする。変わらず嘘を言っていないことがシルウィンにははっきりと分かった。シルウィンは俯き、気配を殺すように押し黙る。そんな姿を見て、アウラは心を痛めた。
「シルウィン」
「……もういいわ。もう、何も言わなくていい」
ぎゅっとシルウィンは拳を握る。その手にアウラが自分の手を重ね合わせたとき、シルウィンは寝台の上に勢いよく立ち上がった。



