【完結】嘘つき騎士様と嫌われシンデレラ


 アウラは柵越しに立つ男で、自身の部下であるシアンに声をかけた。するとシアンは「はい。実は……」と要件を話し始める。それはこの国の動きに関わるもので、とうとう新政派が完全に旧王派を掌握するというものだった。

「なら、こんな婚姻に、意味なんて無いじゃないか」

 ぽつりとアウラが零すと、シアンは疑問を浮かべる。アウラはそれを無視しながら考え込んだ後、声を潜めシアンに伝えた。

「ならダリウスに伝えろ、リグウォンの娘には見どころがある。ディルセオンの婚儀が終わる前に何とか手を打てと。ダリウス周りの親戚の誰かなら、おかしいのもいないだろう」
「分かりました。確かに末娘と言えど、リグウォンのご令嬢。しかもリグウォンの民は人間なのに強いって有名ですもんね。確かにこの家には惜しいです。とっても」
「無駄口を叩くな。話はそれだけか」
「あとは……」

 シアンの言葉に、アウラは苛立ったように舌打ちをした。その様子を見て「失礼しましたっ」とシアンは慌てて去っていく。その背中を見つめながら、現状の忌々しさと、ダリウス周りの親戚を紹介させるのは言い過ぎたとアウラは考え直しため息を吐いた。